今回の茶会の主題(テーマ)は、掛軸の山翠にもあるように新緑です。そしてもう一つには、いつもの巴会とは違い、同じ表千家流の席が他にもあり、そちらでは掛軸に日日是好日をお使いになるということで、日=太陽でしたら、私共の席は対照的に雨や水を主題にと考えました。
ところで、毎年五月の立夏の頃になると、茶室の炉を閉じて風炉を出します。この時季を初風炉(しょぶろ)とも言い、十一月の立冬(りっとう)の頃までの約半年間、火を客座から遠ざけて点前座に据えます。また五月の初旬に摘まれる茶葉は、碾茶(てんちゃ=茶葉によりをかけずに開いたまま、乾燥させた茶葉)にして茶壺に詰め、十一月の炉開きの頃には熟成され、石臼で挽いて抹茶となります。
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ちなみに、碌々斎(ろくろくさい)とは表千家十一代家元(1837-1910)、惺斎(せいさい)とは十二代家元(1863-1937)、即中斎(そくちゅうさい)とは十三代家元(1901-1979)、而妙斎(じみょうさい)とは十四代家元(1938-)、そして昨年2月28日の利休忌に十五代家元を継承されたのが猶有斎(ゆうゆうさい)宗匠(当代1970-)です。
掛軸 即中斎筆 一行 山翠添新雨 共箱
惺斎好 唐銅雲透シ風炉 龍鐶付 冨士釜 惺斎花押鋳込 共箱 浄長作
風炉先屏風 惺斎好 水玉透シ 腰 在判箱 小兵衛作